債務整理後にクレジットカードは作れる？ 借金整理前に知っておきたいこと

債務整理をすると、個人信用情報機関に事故情報が登録されるため、一定期間は新規にクレジットカードを作ることができなくなります。

1. （1）債務整理後の一定期間は、クレジットカードの審査に落ちてしまう

   債務整理をしたという事実は、加盟金融機関やクレジットカードを通じて、以下の個人信用情報機関に登録されます。

   1. ① 全国銀行個人信用情報センター（KSC）
   2. ② 株式会社日本信用情報機構（JICC）
   3. ③ 株式会社シー・アイ・シー（CIC
   
   
   

   クレジットカード会社は、新規契約審査の際に、上記いずれかの個人信用情報機関のデータベースを参照します（CICが多いです）。
   その際、申込者について債務整理の事故情報が登録されていると、「支払い滞納のリスクが高い」と判断されて審査不通過となるのが一般的です。
   
   したがって、個人信用情報機関に債務整理の事故情報が登録されている期間中は、基本的には新たにクレジットカードを作ることができません。

2. （2）いつからクレジットカードを作れるようになるのか？

   債務整理の事故情報が抹消されれば、再びクレジットカードを作れるようになります。
   
   自己情報の登録期間は、個人信用情報機関および債務整理の種類に応じて、現在は以下のとおりとされています。
   

   	任意整理	個人再生	自己破産
   KSC	5年	7年	7年
   JICC	5年	5年	5年
   CIC	5年	5年	5年

   ※詳細については各期間のホームページでご確認ください。
   
   上記の表の通り、債務整理をしてから少なくとも5年または7年は、新規にクレジットカードを作れない可能性が高いといえます。
   
   また、債務整理の事故情報が抹消された後でも、すぐにクレジットカードが作れるとは限りません。
   与信取引の実績がない状態（いわゆる「スーパーホワイト」）では「支払能力に不安がある」と判断されやすいためです。
   スーパーホワイトの状態を脱却するためには、審査が比較的緩いクレジットカードを選んで契約して、支払い実績を少しずつ積み重ねていく必要があります。

3. （3）デビットカードや家族カードは作れる

   債務整理をした後でも、デビットカードやクレジットの家族カードは作ることができます。
   これらのカードを作る際には、本人の信用力に関する審査が行われないためです。
   
   債務整理後に作れなくなるのは、あくまでも、本人について与信審査が行われるクレジットカードに限られます。

債務整理をすると、それ以前から契約して使っていたクレジットカードも強制解約によって使用できなくなります。

1. （1）「途上与信」によってクレジットカードが使えなくなる

   カード会社は、利用者について継続的に信用情報をチェックする「途上与信」の審査を行っています。
   契約した当時は信用に問題がなくても、その後の収入減などによって信用状況が悪化する場合があるためです。
   
   カード会社が途上与信の審査を行った際、利用者について債務整理の事故情報が登録されていると、契約中のカードは強制解約となります。
   したがって、債務整理をすると以前から使用しているクレジットカードも使えなくなるという点にも注意しましょう。

2. （2）途上与信のタイミングは？

   途上与信の審査を行う頻度やタイミングは、カード会社によって千差万別です。
   数週間おきに途上与信の審査を行うカード会社もあれば、数か月間全く途上与信の審査を行わないカード会社もあります。
   
   どちらにせよ、遅くとも数か月以内には途上与信の審査が行われて、使用中のクレジットカードが強制解約となる可能性が高いと認識しておきましょう。

クレジットカードが使えなくなると、生活にさまざまな不便や不都合が生じるでしょう。
しかし、そのようなデメリットを考慮してでも、以下のような理由から、借金の返済に苦しんでいる場合には早めに債務整理をすることをおすすめします。

1. （1）借金問題を抜本的に解消できる

   借金問題は、適切な方法により債務整理を行うことで、なんらかのかたちで解決できる可能性があります。
   
   借金問題を解決できれば、毎月の収支が改善して、生活も大幅に楽になるでしょう。
   債権者からの取り立てに悩むこともなくなり、精神的な負担からも解放されます。
   平穏な日々を取り戻すためにも、債務整理には早めに取り組むことをおすすめします。

2. （2）強制執行により財産を失うことを防げる

   借金の滞納状態を数か月間にわたって放置すると、債権者が強制的な債権回収に動く可能性が高くなります。
   具体的には、債権者は債務者に対して訴訟を提起して、勝訴判決の確定後に強制執行を申し立てることが考えられます。
   強制執行が申し立てられると、債務者の財産が差し押さえられて、強制的に借金の弁済へ充当されてしまうことになります。
   
   強制執行により財産を失ってしまうと、生活に大きな影響が生じることは避けられません。そうなる前に、早い段階で債務整理を行い、借金の滞納状態を解消しましょう。

3. （3）借金を滞納すると、結局クレジットカードは使えなくなる

   前述の通り、債務整理をするとクレジットカードは使えなくなります。
   また、借金の返済を滞納した場合にも、同様にクレジットカードは使えなくなります。
   借金を滞納した場合にも、事故情報が個人信用情報機関に登録されるためです。
   
   いずれにしてもクレジットカードが使えなくなるのだと考えれば、早い段階で債務整理を行い、借金問題を抜本的に解決してしまったほうが得だと言えるでしょう。
   また、債務整理後に借金を滞納することがなければ、再びクレジットカードを使えるようになる時期も早まることになります。

債務整理について弁護士に相談することには、以下のようなメリットがあります。

1. （1）適切な方法で債務整理を進められる｜債務負担の効果的な軽減

   債務整理には主に「任意整理」「個人再生」「自己破産」の三種類があり、それぞれに異なるメリットやデメリットがあります。
   借金の負担を効果的に軽減するためには、適切な債務整理手続を選択することが大切です。
   
   弁護士に相談すれば、ご自身の状況を状況に合った、適切な債務整理の手続きを提案してもらえます。
   また、実際の手続きの進め方やスケジュールについても、弁護士からわかりやすい説明を受けられるでしょう。

2. （2）債務整理手続きを一任できる｜労力の軽減

   任意整理の際に必要な債権者との交渉や、個人再生や自己破産の際に必要な申立書類の作成などの手続きや作業は弁護士に任せることができます。
   
   ご本人だけで債務整理に取り組むと非常な負担になってしまいますが、弁護士に依頼することで、債務整理にかかる労力を大幅に軽減することができるのです。

3. （3）債権者対応も依頼できる｜ストレスの軽減

   債務整理を行う際にストレスとなる要素のひとつが、債権カットを強いられる債権者への対応です。
   債権の大部分（または全部）が回収不能になることを不快に思った債権者が悪辣（あくらつ）なクレームが寄せるというケースも多々あります。
   
   弁護士に依頼すれば、債権者対応の窓口を一括して引き受けてもらうことができます。
   債権者と直接やり取りする必要もなくなるため、債務者ご本人のストレスは大幅に軽減されるでしょう。

債務整理をするとクレジットカードは使えなくなりますが、そのデメリットを考慮しても、借金問題を解決するためには債務整理を行うべきです。
債務整理をする実行する際には、適切な手続きを選択して労力やストレスを軽減するため、弁護士に相談しましょう。

ベリーベスト法律事務所は、債務整理に関するご相談を承っております。
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