離婚に伴う弁護士の選び方! 必要になる費用の相場はどれぐらい?
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弁護士に離婚相談をすると、法律に関する専門的なアドバイスが得られるので離婚を有利に進められる可能性が高くなります。
しかし、「初めて弁護士に相談をしたいと思っているけれど、何を基準に法律事務所や弁護士を選んでいいかわからない」「弁護士に相談すると費用が高額になるのでは?」といったご相談者様のお悩みの声も。
離婚は繊細な問題ですので、なるべく自分で納得のいく弁護士選びをしたいものです。そこで今回のコラムでは、離婚相談における弁護士の選び方や、弁護士に相談するメリット、相談・依頼に必要な弁護士費用について解説いたします。
1、法律事務所・弁護士の選び方
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(1)弁護士の経験・実績で選ぶ
離婚相談をする弁護士を選ぶポイントとして、「離婚問題解決の経験・実績が豊富であるか」があげられます。
弁護士が扱う法律相談は、離婚のみならず、交通事故・刑事事件・債務整理・労働問題・相続問題・債務整理・企業法務…など、多岐にわたります。
扱う分野が非常に幅広いため、弁護士にも得意分野・不得意分野があります。離婚問題をほとんど扱ったことがない弁護士もいれば、離婚問題を中心に扱っている弁護士もいます。
依頼をするのであれば、当然、離婚問題を扱った経験が豊富で解決実績がある弁護士を選ぶことが望ましいでしょう。
離婚はお金や子どもの親権など、問題が複雑化することも少なくありません。離婚問題解決の実績が多い弁護士ほど、あらゆるケースに対応できるノウハウを持っているため、適切な判断で離婚を進められます。 -
(2)親身になってサポートしてくれる弁護士を選ぶ
実績が豊富でも、解決を優先するあまり依頼人の気持ちを無視するような弁護士ではかえって精神的な負担が大きくなってしまいます。
離婚はただでさえ気持ちが消耗するものです。弁護士として法律の知識はもちろん、精神面でも親身になって相談に乗ってくれる弁護士を選ぶと、信頼関係を築きやすくなります。
法律には聞きなれない専門用語も多いため、わかりやすく説明してくれるかどうか、こちらに不利な情報やリスクについてもきちんと説明してくれるかどうかなどといった点で判断するのが良いでしょう。
離婚の相談に関しては初回相談無料の法律事務所も多いため、まずは相談に行ってみて「この弁護士なら信頼できそう」という感触を掴んでみるとよいでしょう。 -
(3)自分と相性の良い弁護士を選ぶ
弁護士と依頼人は二人三脚です。裁判や調停の場に立って話を進めるのは弁護士ですが、一番大切なのは依頼人であるあなたにとって満足のいく結果になることです。
そのためには弁護士と話し合いを重ね、しっかりした協力体制を作ることが必要不可欠になります。
弁護士の評判や費用については、あくまで判断基準のひとつとして捉えてください。
相談をしたときに、違和感を覚えたりするようであれば、考え直すことをおすすめします。
2、離婚の種類と、弁護士に相談するメリット
離婚には協議離婚・離婚調停・裁判離婚という3つの種類があります。
まずは夫婦の話し合いで離婚が成立する協議離婚を目指し、話がまとまらない場合は離婚調停、離婚調停でも解決しない場合は裁判離婚に発展する流れが大半です。
弁護士に離婚の相談や依頼をすると、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは離婚の種類ごとに弁護士に相談するメリットをお伝えいたします。
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(1)協議離婚
協議離婚は夫婦で話し合いをして、双方合意の上で離婚届を提出し、成立する離婚です。
日本では、離婚件数全体の約90%が協議離婚になります。
協議離婚は家庭裁判所を利用せず、「夫婦の話し合い」と「離婚届の提出」だけで離婚が成立します。そのため、離婚調停や裁判離婚にくらべて手続きが簡単で、費用面での負担が少なくすむことがメリットです。
夫婦同士での話しいだけで穏便に離婚が成立するのであれば、それに越したことはありません。ですが、離婚の話し合いはどうしてもお互い感情的になってしまうため、話しがこじれてしまいがちです。
離婚前には慰謝料、養育費、財産分与、子どもの親権など決めなくてはいけないことがたくさんありますが、中には夫婦関係が悪化し、「離婚の話し合いをしようとするたびに喧嘩になり話が進まない」「相手が顔すら合わせてくれず話合いすらできない」「勝手に家を出て実家に帰ってしまった」などの理由で、離婚条件が決まらないというご家庭もあるでしょう。
そのような時には、弁護士に相談することをお勧めします。
弁護士が間に入り、具体的な離婚条件や慰謝料・財産分与の相場等を提示し、法的なアドバイスも交えて交渉することで、お互いに冷静な話し合いができ、スムーズに離婚が成立するケースも多くあります。離婚の条件や慰謝料、財産分与などの約束事項を、弁護士が作成した「離婚協議書」というような形で残すこともできます。
また、「離婚後のトラブルも想定した話し合い」ができる事も弁護士に相談するメリットの1つです。
早く離婚したいために、きちんと条件を決めないまま離婚をしてしまい、「離婚後、夫が養育費を払ってくれない」「住宅ローンや借金を残したまま離婚してしまい、残金の支払をしなくてはならないが、元夫(元妻)と連絡も取れず生活に困っている」「離婚後、子供と合わせてもらえなくなった」など離婚後にトラブルが起こるケースが実際に多くあります。
弁護士は、「離婚後のトラブル」も想定して法的な目線からアドバイスし、必要な手続きを行いますので、このような問題を未然に防ぐことができます。
また、相手方から暴言・暴力・DV・ハラスメント等を受け、「離婚はしたいけれど、パートナーとは会いたくない」というケースでは、直接自分で話し合いの場に立たず、交渉を全て弁護士に任せることもできるため、精神面での負担を減らすことも可能です。 -
(2)離婚調停
(1)の協議離婚を行おうとしても、離婚について話し合いがまとまらない、一方が話し合いに応じない、離婚に同意しないといった場合は、離婚調停に進みます。
離婚調停とは、家庭裁判所の調停によって成立する離婚で、離婚件数全体の約9%が離婚調停です。
離婚調停は夫婦の間に調停委員が入り、離婚の条件を調整しながら離婚の成立を目指します。離婚調停で取り決められたことは、調停調書という形で書面に残るため、強制執行の効力があります。そのため、養育費や慰謝料などの金銭問題を抱えている場合には効果的です。
しかし、離婚調停は離婚が成立するまで半年から1年以上と長期間におよぶ上、調停への出席など仕事に影響が出る、心労が重なるといったデメリットもあります。
弁護士に離婚調停の依頼をすると、事前に弁護士と相談した上で調停に望めますので、調停を有利に進めることができ、早期の離婚成立にもつながります。
また、調停で合意に至る期日以外、弁護士が調停に出席するため、当事者の方の調停への出席は、必須のものではありません。
さらに、配偶者の浮気・不倫が問題の場合は弁護士に相談することで、証拠を集めやすくなります。 -
(3)裁判離婚
(2)の離婚調停でも話し合いがまとまらず、離婚が成立しなかった場合は、最終手段である裁判離婚に進みます。
協議離婚や離婚調停は、当事者双方の合意がないと離婚が成立しないのに対し、裁判離婚は相手方が離婚に合意しなくても、裁判の判決で離婚を成立させることができます。
離婚件数全体の約1%が裁判離婚によって離婚しています。
裁判離婚には強制力がともなうため、法律で定められた離婚原因がないと、判決で離婚を成立させることができません。
民法770条では、以下の5つが離婚原因として定められています。① 相手方の不貞行為(浮気・不倫など)
② 相手方の悪意の遺棄(同居や夫婦生活の拒否、生活費を渡さないなど)
③ 相手が3年以上生死不明な場合
④ 相手が強度の精神病で、回復の見込みがない場合
⑤ その他婚姻を継続し難い重大な事由がある場合(DV、長期間にわたる別居、性格の不一致など)
離婚裁判は訴訟なので、弁護士に依頼することをおすすめします。
話し合いで解決を目指す協議離婚や離婚調停と異なり、裁判離婚は事実の証明や証拠の提出など専門的な知識が必要になるからです。法的な知識がない一般の方では、対応が非常に困難なため、弁護士に依頼すると良いでしょう。
また、離婚裁判を弁護士に依頼するメリットとしては、裁判に必要な書面を作成してもらえるほか、自分の代理として弁護士に裁判所に行ってもらえる点があげられます。
裁判は平日の昼間に行われるので、仕事や子育てで忙しい方にとっては大きなメリットになるでしょう。
3、離婚問題について弁護士に依頼したときの費用
では、実際に離婚問題の解決を弁護士に依頼すると、どれくらいの費用がかかるのでしょうか?
弁護士費用は法律事務所によってさまざまです。離婚の種類や依頼内容によっても費用は変わってきますが、一般的に協議離婚、離婚調停、裁判離婚と段階が進むについて高額になる傾向です。
以下では、弁護士に依頼した時にかかる費用の種類と相場についてご説明します。
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(1)法律相談料
法律相談料は、弁護士に離婚相談する際に必要な費用です。
弁護士に離婚問題について依頼する場合、まずは相談をするところから始まります。
初回の法律相談は無料としている法律事務所も多数あります。
法律のプロに相談を行うことで、今後すべき事が整理され、スムーズに離婚が決まる場合もあります。
また、有料であれ、無料であれ、法律相談の時間は限られていることが多いかと思います。そのため、あらかじめ離婚等に至る経緯や弁護士に質問したい事項などをまとめておくと有意義な相談ができます。
もっとも、何も準備せずに法律相談に行ったとしても、弁護士が離婚に至る経緯など必要な事項は質問すると思いますので、まずは気軽に相談に行ってみると良いでしょう。 -
(2)着手金
着手金とは、弁護士に依頼をする際に支払う費用です。
弁護士と委任契約をかわした時点で支払うものであり、仮に交渉や調停、裁判が依頼人の希望にそった結果にならなくても、原則着手金は返金されません。何らかの事情で弁護士を解任した場合も同様です。
ただし、難しい案件になるほど費用は高額になります。着手金については、契約を交わす前にしっかりと確認をしておくとよいでしょう。
また、協議離婚から離婚調停、離婚調停から裁判離婚に進んだ際は、追加着手金が発生する法律事務所もあるので、追加費用が発生するケースがあるかについても事前に確認しておきましょう。 -
(3)報酬金
報酬金は問題が解決したときに支払います。
成功報酬金とも呼ばれ、離婚問題の場合はどれだけ依頼人の希望にそえたかによって、金額は変わってきます。
たとえば離婚を望んでいた場合は離婚が成立したか、親権を争っていた場合は親権が取れたか、慰謝料請求なら請求した金額の慰謝料請求が認められたかどうかで、金額は変わります。
個別事情や事案が、① 協議離婚、② 調停離婚、③ 裁判離婚 のうち、どの種類の離婚手続きを取ったかによっても金額が大幅に変わる可能性がありますので、弁護士に確認することをおすすめします。 -
(4)その他の弁護士費用
上記にあげた費用のほかに、日当、実費が発生します。
日当とは弁護士が調停に同席した場合、代理人として裁判に出頭した際の移動時間、および拘束時間の対価として支払うものです。
日当は法律事務所、弁護士によってさまざまですので、依頼前に確認しておきましょう。
実費は書面作成や手続きに必要な収入印紙代、郵便切手代、コピー代、弁護士の交通費などが該当します。
離婚問題は、離婚調停や裁判離婚といった裁判所が絡む場合でも、必ず弁護士に依頼しなければいけないということはありません。
ですが、弁護士に依頼した方が、離婚を有利に進められる可能性が高くなりますし、専門家がついているということで安心感が得られます。
また、裁判所が絡む離婚手続きを行う場合は、法的手続きを一般の方が1人で行うことは難しいため、費用を払ってでも弁護士に依頼をすることをお勧めします。
しかし、費用面で不安を抱えたまま弁護士に依頼することは避けましょう。
「お金の話だから聞きづらい…」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、少しでも費用面の不安や疑問があれば、弁護士に積極的に質問をすべきです。
もしも、費用の説明で分かりにくい、納得がいく回答をしてくれない弁護士であれば、依頼は避けたほうがよいでしょう。後々、「こんなに費用がかかるなんて聞いてない!」「離婚後の生活を考えたら、こんなに払えない!」という事態になりかねません。
離婚方針のみならず、費用面も十分に弁護士と相談をした上で、依頼するようにしましょう。
4、弁護士へ離婚問題の相談をご検討中の方へ
離婚は人生を大きく左右します。
今後の人生をより良いものにするためにも、自分に合った弁護士や法律事務所を選ぶことはとても重要です。まずは相談に行って話を聞いてもらいましょう。
ベリーベスト法律事務所 北九州オフィスでは、初回の法律相談は60分無料となっています。離婚問題の経験豊富な弁護士がお客様を全力でサポートし、納得のできる解決を目指します。
また、当事務所は全国展開の大規模事務所です。離婚問題専門チームの弁護士がチームを組んで、様々な事例やノウハウを共有していますので、調停離婚や裁判離婚に進んだ場合でも、事務所全体でサポートができる体制が整っています。
弁護士への離婚相談は、「なんだか気が引ける」「敷居が高い」と思われる方もいらっしゃると思いますが、北九州オフィスの弁護士がお客様のペースに合わせてお話を伺いますのでご安心ください。お客様の個別のご事情に配慮しながらお話をさせていただきます。
弁護士への離婚をお考えの場合は、ぜひお気軽にご相談ください。
5、不倫・浮気で慰謝料請求をされた場合は弁護士へ
不貞行為を行ってしまったからといって、相手から高額な慰謝料を請求された場合、法外な慰謝料請求については払う必要のないものです。
「こんなに高額な慰謝料を払わなくてはいけないの?」「これって本当に妥当な金額なの?」と疑問や不安を感じましたら、法律の専門家である弁護士への相談をおすすめします。
ベリーベスト法律事務所 北九州オフィスでは、離婚や男女の問題に関する法律相談を無料で受け付けております。慰謝料を請求されお悩みの場合は、ご相談ください。
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