無料求人広告のよくあるトラブルとは? 被害遭った場合の対処方法
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令和4年度の北九州市の雇用動向調査によると、雇用形態別の割合としては正社員が上昇しパートタイムが低下傾向にあります。また市内事業所のアンケートでは、63.0%が「従業員全体が不足している」と回答しており、労働力の不足感が強まっています。
従業員不足の解消のため、企業では、インターネット上に求人広告を掲載して応募を募ることが一般的に行われていますが、近年この求人広告をめぐって詐欺トラブルの相談が寄せられています。
そこで本記事では、無料求人広告をめぐる詐欺トラブルの概要や、被害に遭った場合の対処法、とるべき対策などについてベリーベスト法律事務所 北九州オフィスの弁護士が解説していきます。
1、無料求人広告詐欺のよくあるトラブル
近年、無料求人広告をうたった詐欺被害のトラブルが問題となっています。
無料求人広告の詐欺トラブルでよくあるケースとして、以下のようなものがあります。
以下、それぞれについて詳しく解説していきましょう。
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(1)契約の内容がわかりにくい
無料求人広告詐欺のケースでは、悪徳業者がリスト化して狙ってくる傾向にある会社は、ハローワークに求人を掲載しつつも、なかなか求人の応募がなさそうな会社です。
このような悪徳業者からのファーストコンタクトは、営業電話やFAXによる勧誘です。広告掲載に同意すると、「申込書をFAXするので必要事項を記載して返送するように」と指示してきます。
悪徳業者の勧誘電話やFAXでは、「無料」というワードばかりが強調されており、それ以外の契約内容がわかりにくくなっているという特徴があります。
実際、求人広告詐欺が問題となったケースでは、契約の内容に関わる部分や重要事項の説明の箇所が非常に小さな文字で記載されており、FAXだと文字が判別しづらくなっていました。
さらにひどい場合には、契約内容は電話勧誘の際に口頭で伝えられただけで、詳細な契約条件や書面については、「また改めて説明する」などと言ったり、申込書には「別紙に記載したとおり」の記載のみだったりして、申込段階では確認できないようにしているというケースも珍しくありません。 -
(2)なかなか解約に応じてくれない
無料求人広告詐欺の場合には、相手方の業者からしきりに「今回のサービスは無料なので料金はかかりません」「キャンペーン期間中に解約すれば大丈夫」などというセールストークを受けます。
さらに、「無料期間が終了する前に改めてご連絡する」「今回限りのキャンペーン」「〇社限定なので定員に達したら終了してしまう」など限定性をアピールすることでターゲットを焦らせて申込みに誘導します。
そして「無料だからいつでも解約できるだろう」と軽い気持ちで申込書をしまうと、悪徳業者が解約手続きを進めてくれないケースも多いでしょう。
具体的には、解約専用と指定されている電話番号にかけても混線アナウンスのみでつながらなかったり、決められた書式でしか解約できず無料期間満了までに当該書式が送られてこなかったりするなどです。
悪徳業者の場合には、わざと解約の方法を複雑にして理解や手続きに時間がかかるようにすることで、無料キャンペーン期間中に解約されてしまうことを阻止しているケースがあります。 -
(3)無料期間満了後、勝手に更新される
無料求人広告詐欺の場合には、無料キャンペーン期間が経過してしまうと自動で契約が更新され有料契約に移行してしまうケースがあります。
FAXされてきた申込書や契約書などを子細に見てみると、
・キャンペーン期間が経過した場合には、契約が更新されたものとみなされます
・契約更新後は、当社の規約等が適用されます
・更新後は、所定の契約期間が満了するまでは期間中に解約することはできません
などという内容が書かれていることがあります。
詐欺業者に対して苦情を入れたとしても、「自動更新される旨は契約書や申込書に記載されている」「解約期間中に解約するように説明していた」「契約書に署名・押印しているので契約内容に基づく取り扱いとなる」として高額なサイト利用料が請求されてしまうケースも少なくありません。
また契約後に、勧誘のダイレクトメールに紛れ込ませて解約専用通知書などを送付してくる例もあります。営業メールだと思い込んで見過ごしてしまうことを狙った悪質な手口です。 -
(4)求人効果がない
無料求人広告詐欺が疑われる事案では、出稿した求人広告に効果が見られたというケースはほとんどありません。まったく問い合わせがないというケースもあるでしょう。
詐欺の疑いがある事案では、求人広告サイトは、悪徳業者が詐欺のために立ち上げた簡易的なものが多く、メンテナンスやアクセス数が上がるような施策も講じていないため、求人効果がほぼないのが実情です。
2、無料求人広告詐欺の被害に遭ってしまったら?
それでは、無料求人広告詐欺の被害に遭ってしまった場合には、どのような対処法をとるべきなのでしょうか。
ここでは、以下のような3つの方法について詳しく解説していきます。
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(1)詐欺、錯誤を理由に契約を取り消す
無料求人広告が詐欺である疑いが出てきた場合には、すぐに当該契約を取り消す意思表示をすることが重要です。民法には、詐欺や錯誤に基づく意思表示は取り消すことができると規定されています(民法第95条、96条)。
契約の内容が、電話で受けた説明の内容とまったく異なっていた場合には、相手方の欺罔行為(ぎもうこうい:相手を騙して欺く等の行為)を理由として詐欺取り消しができる可能性があります。
また、業者の説明が不適切で、被害会社の誤解を誘うようなものであった場合には錯誤を理由として取り消せる可能性もあります。
無料期間中であればいつでも解約できると説明を受けていた場合であっても、悪徳業者の場合には、すぐに解約手続きに応じてくれるとは限りません。
取り消しの意思表示は、電話や書面でもできますが、「言った・言わない」の水かけ論になってしまうリスクを回避するためには、郵便局を介した内容証明郵便で解約の意思表示を通知する方法がおすすめです。 -
(2)高額請求されても払わない
業者から求人広告をサイト上に掲載したことで高額な料金を請求された場合、納得できないのであれば、焦って支払わないようにしましょう。
なぜなら、業者の態様や契約内容に法的な問題があるならば、詐欺・錯誤に基づく取り消しや、公序良俗違反による無効(民法第90条)を主張できる可能性もあるからです。
ただし請求に応じないとしても、請求を放置することは得策ではありません。支払いが遅延したとして請求額がどんどん膨らみ、業者から訴訟を提起されるおそれもあるからです。 -
(3)弁護士に相談する
無料求人広告をめぐってトラブルになった場合には、すみやかに弁護士に相談するようにしましょう。
実績がある弁護士であれば、契約書の内容や当事者間のやり取りからどのような問題があり、どのように対処すべきなのか詳しいアドバイスが可能です。また、業者に対する内容証明の送付や、連絡・交渉の代理人として会社の窓口として対応を一任することもできます。
3、無料求人広告詐欺の対策方法
無料求人広告の詐欺トラブルに巻き込まれないようにするためには、どのような対策があるのでしょうか。
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(1)業者名を調べる
まずは、相手方である業者についてインターネットで検索してみてください。詐欺業者や悪徳業者である疑いがある場合には、同様なトラブルや悪評などが見つかる可能性があります。
さらに求人広告として相手方が紹介するサイトが検索の上位に表示されるかどうかもチェックするといいでしょう。「求人 都道府県名」や「求人広告 市区町村」などで検索してもヒットしない場合には、そのような求人サイトに掲載する意味がない可能性が高いでしょう。 -
(2)申込書、契約書をしっかり確認する
相手方業者から送られてきた申込書や契約書については、隅々まで目をとおして内容を確認するようにしましょう。
契約内容が不明確でわかりにくいという場合には、そのまま契約せずに先方に必ず確認するようにしましょう。内容を確認する時間がないという場合には、契約を見送る判断も重要です。一度契約してしまうと事後的に内容を変更することは非常に難しくなる可能性があるからです。
4、無料求人広告詐欺で弁護士がサポートできること
無料求人広告に関するトラブルで弁護士がサポートできることは以下のようなものです。
- 弁護士が代理人として契約の取り消し・解約の内容証明郵便を業者へ送付
- 弁護士が代理人として詐欺業者への交渉や対応
また、仮に訴訟などの裁判手続に発展した場合であっても、弁護士がすみやかに手続きを代行しますので、相手方の不当な請求に適切に対処することができます。
無料求人広告に関するトラブルでお困りの方は、まずは一度ベリーベスト法律事務所 北九州オフィスまでご相談ください。
- この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています
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