離婚を切り出すタイミングは? やっておくべき準備と注意点

2025年05月14日
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離婚を切り出すタイミングは? やっておくべき準備と注意点

厚生労働省の人口動態統計によると、令和5年における福岡県の離婚件数は8512件で、前年の8444件に比べて、やや増加しています。全国の離婚件数も令和4年から4715件増加しており、福岡県内だけでなく全国的に離婚件数が増加傾向にあることがわかります。

離婚を検討する際、話を切り出すタイミングに悩む方は多いのではないでしょうか。

本コラムでは、離婚を切り出す前の準備や適切なタイミングなどについて、ベリーベスト法律事務所 北九州オフィスの弁護士が解説します。


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1、離婚を切り出す前に必要な準備

離婚を考えたときは感情のままに行動するのではなく、計画的に準備を進めていくことが大切です。配偶者に離婚を切り出す前にしておくべき主な準備としては、以下のとおりです。

  1. (1)自分の気持ちを整理しておく

    離婚という大きな決断をする前に、まずは自分の気持ちを整理してみましょう。具体的には、「なぜ離婚したいのか」、「離婚以外の選択肢はないのか」などを考えてまとめます。

    夫婦間の話し合いで合意に至れば離婚を成立させることが可能ですが、必ずしも配偶者が合意するとは限りません。配偶者が合意しなければ、離婚調停や離婚裁判に発展せざるをえない可能性もあります。

    感情的になりがちな場面だからこそ、しっかりと気持ちの整理をしておきましょう。

  2. (2)離婚後の生活について考えておく

    離婚をしても生活は続いていくため、離婚成立後に自分がどのように暮らしていくことになるのかを考えておくことも重要です。その場の勢いで離婚を進めてしまうと、生活基盤が不安定になってしまい苦しい思いをする可能性があります。

    とくに経済面や住居、子どもの養育環境については、離婚前に具体的な計画を立てておきましょう。

    たとえば、収入が少ない場合には転職や副業の検討をする、実家で受け入れてもらえるか相談するなどの対策が必要です。

  3. (3)証拠を集める

    配偶者の不貞行為やDVなどが理由で離婚する場合、離婚を切り出す前に証拠を集めておきましょう

    たとえば、不貞行為であれば浮気現場の写真や動画、DVの場合は録音データや病院の診断書などが有力な証拠となりえます。証拠があれば配偶者が反論しづらくなり、離婚手続きや慰謝料請求をスムーズに進められる可能性が高まるでしょう。

    証拠を隠滅されてしまうのを防ぐためには、配偶者に気づかれないよう慎重に収集する必要があります。個人で証拠を集めるのが難しいケースでは、弁護士への相談も検討してみてください。

  4. (4)離婚条件を整理しておく

    事前に離婚条件を整理しておくことで、より効率的に話し合いができるようになります。考えておくべき離婚条件は、主に以下のとおりです。

    • 財産分与
    • 慰謝料
    • 年金分割
    • 親権、養育費、面会交流(子どもがいる場合)


    上記の条件について、金額や支払い方法・期間などできるだけ具体的な希望を書き出しておきましょう。婚姻期間中に築いたお互いの財産は折半となるのが原則であるため、あらかじめリストアップしておくことをおすすめします。

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2、離婚を切り出すタイミングと方法

離婚を切り出す際には、主にそのタイミングと方法が重要となります。適切なタイミングを選び、効果的な方法で話し合いを進めることで無用なトラブルを避けられるためです。

離婚を切り出す3つのタイミングの例と方法について、以下で具体的に解説していきます。

  1. (1)お互いが十分な時間を取れるとき

    離婚を切り出す際には、夫婦双方が話し合いのために十分な時間を確保できるタイミングを選ぶことをおすすめします。

    仕事や家事・育児などで忙しい合間に話を持ち出すと、冷静に話し合えないばかりか、誤解や衝突を生む可能性があるためです。

    週末や休暇など時間的に余裕があるときに話し合いを行えば、配偶者も真剣に向き合いやすくなるでしょう。

  2. (2)配偶者が退職した(退職が近い)とき

    配偶者の退職時期やそのタイミングが近い場合も、離婚を切り出すのによいタイミングといえます。

    退職によって生活に区切りがつくタイミングは、新しい生活に向けた話し合いを進めやすい時期です。また、退職後は収入が変わるため、財産分与や生活費に関する具体的な計画も話しやすいでしょう。

    ただし、退職のタイミングを選ぶ場合、配偶者が退職後の生活設計に集中していることを考慮して慎重に話を切り出す必要があります。

  3. (3)子どもが成人したとき

    子どもがいる場合、離婚を切り出すタイミングとして成人の節目を選ぶ夫婦も多いでしょう。

    子どもが成人していれば親権や養育費が問題となる可能性が低くなり、夫婦間の話し合いに集中しやすくなります。また、成人した子どもであれば、両親の離婚を冷静に受け入れられる可能性も高くなります。

    ただし、配偶者による著しいDVがある場合など早めに離婚を決断した方がいいケースもあるため、状況に応じて判断しましょう。

  4. (4)離婚を切り出す方法

    離婚については切り出すタイミングだけでなく、方法も慎重に選ぶ必要があります。

    離婚を切り出す方法として挙げられるのは、主に以下のとおりです。

    • 口頭で伝える
    • 電話で伝える
    • メールや手紙で伝える
    • 弁護士などの第三者を介する


    口頭で伝える方法は、もっとも一般的です。しかし、冷静に話し合うのが難しい状況であれば、電話やメール・手紙なども検討してみるといいでしょう。

    一方で、弁護士などの第三者を介する方法は、夫婦間の感情的な衝突を避ける手段として有効です。とくに配偶者が話し合いに応じない場合や、不貞行為・DVなどの問題が絡む場合は弁護士へ相談することをおすすめします。

3、離婚を切り出す際の注意点

離婚を切り出す場面では、いくつかの注意点を押さえておく必要があります。とくに気をつけるべきポイントは、以下の3つです。

  1. (1)感情的にならない

    離婚を切り出す際、感情的になると話し合いがスムーズに進まなくなり、配偶者との対立が深まるおそれがあります。つらい思いがあったとしても、話し合いでは冷静な態度を保つことが重要です。

    また、一方的に非難したり不満を伝えたりするのではなく、離婚を望む理由や今後の計画を落ち着いて話すようにしましょう。

    話し合いで離婚が成立すれば離婚調停や離婚裁判を行う必要はないため、精神的・金銭的負担を最小限に抑えられます。

  2. (2)子どもがいる場では話さない

    子どもがいる場合、離婚の話し合いを子どもの前で行うのは避けましょう。子どもにとって、両親の離婚に関する話し合いはそれ自体が大きなストレスとなるおそれがあるためです。

    また、配偶者が離婚をしたくないと考えている場合に、子どもを盾にして離婚を回避しようとする可能性もあります。

    子どもの精神的負担を増幅させないために、話し合いの場を設けるときは子どもがいない時間や場所を指定しましょう。

  3. (3)相手の言い分をメモや録音に残しておく

    離婚について話し合う際は、配偶者の言い分をメモや録音で記録しておくことをおすすめします。相手の考えや希望する離婚条件などを記録したデータがあると、後日「言った」「言わない」のトラブルが発生することを防げるためです。

    また、DVやモラハラなどの問題がある場合に、後々の手続きで証拠として活用できる可能性があります。

    ただし、配偶者の発言を引き出すためにわざと怒らせたり挑発したりすると、証拠として認められない場合があるため注意が必要です。

4、離婚を切り出すタイミングで迷ったら弁護士に相談を

離婚を切り出すタイミングや進め方で迷ったときは、弁護士への相談を検討しましょう。弁護士に相談する主なメリットは、以下の3つです。

  1. (1)弁護士を介して離婚を切り出すことも検討できる

    離婚を直接切り出すことが難しい場合、弁護士を通じて話を進める方法があります。弁護士を通じて意思を伝えれば、直接対面する必要がなく、安全かつ冷静な話し合いが可能です。

    とくに、相手が感情的になりやすい場合やDV・モラハラがある場合には、弁護士を介することで話し合いが進めやすくなります。

    また、法的な観点からのサポートも可能なため、感情に左右されない合理的な離婚手続きが期待できるでしょう。

  2. (2)離婚の進め方について法的なアドバイスを受けられる

    弁護士から、離婚の進め方について法的なアドバイスが受けられるのも大きなメリットです。

    離婚には感情的な問題だけでなく、財産分与や慰謝料、親権、養育費など多くの問題が絡みます。複雑な課題を整理して最適な方法で手続きを進めるためには、法的な知識が必要となるケースもあるでしょう。

    そのような場合に弁護士へ相談することで、状況に合った具体的なアドバイスの提供が受けられます。たとえば、話し合いが難航した場合の交渉の進め方、財産分与の計算方法、調停や裁判の対応など総括的なサポートが期待できます。

  3. (3)慰謝料請求の相談もできる

    慰謝料請求に関しての相談ができるのも、弁護士に依頼するメリットのひとつです。

    離婚の原因が相手の不貞行為やDV・モラハラなどである場合、相手に対して慰謝料を請求できます。しかし、慰謝料を請求するためには客観的に証明できる証拠の収集が不可欠です。

    弁護士に相談することによって、慰謝料を請求する際の証拠の集め方や請求の進め方について具体的なアドバイスが受けられます。

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5、まとめ

離婚を切り出すタイミングは、相手に不貞行為があったときや婚姻生活が続けられない理由があったときが適しています。ただし、離婚を切り出す前には準備を万全にし、必要な手続きや流れを理解しておくことが重要です。

離婚を切り出すタイミングで迷っている場合は、弁護士への早めの相談をおすすめします。

ベリーベスト法律事務所 北九州オフィスの弁護士にご相談いただければ、適したタイミングと条件で離婚を進められるよう、全力でサポートいたします。

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