離婚の話し合いが進みやすい場所は? 状況別に弁護士が教える最適解

2025年01月29日
  • 離婚
  • 離婚
  • 話し合い
  • 場所
離婚の話し合いが進みやすい場所は? 状況別に弁護士が教える最適解

令和4年の北九州市の離婚件数は1507件でした。

離婚の話し合いをスムーズに進めるためには、場所選びも重要なポイントです。離婚協議の状況や論点などに応じて、適切な場所を選びましょう。

本記事では、スムーズに離婚の話し合いを進めるための場所選びについて、ベリーベスト法律事務所 北九州オフィスの弁護士が解説します。


離婚・男女問題を弁護士に相談離婚・男女問題を弁護士に相談

1、離婚の話し合いをする際、場所選びが大切な理由

離婚の話し合いをスムーズに進める際には、事前の準備をきちんと行うことが大切です。
希望する離婚条件をまとめておく、話し合うべき論点を事前に整理するなど、丁寧に準備をして話し合いに臨めば、早期に離婚が成立する可能性が高くなります。

離婚協議にあたっては、場所選びも重要な要素のひとつです

たとえば、プライベート性が高い話をしたいなら自宅や実家などのクローズドな空間、感情的になるのを防ぎたいならオープンな空間で話し合うのがよいでしょう。第三者に話し合いを仲介してもらいたいときは、家庭裁判所に離婚調停を申し立てる方法や、弁護士事務所で話し合う方法などもあります。

離婚協議の状況や論点などに応じて、適切な話し合いの場所を選択することが、スムーズな離婚の成立につながります

2、自宅や実家で離婚の話し合いをするメリット・デメリット

自宅や実家は、離婚の話し合いをする場所として最もよく用いられます。

  1. (1)自宅や実家のメリット

    自宅や実家は完全にプライベートな空間なので、話題を選ぶことなく話し合うことができるのが最大のメリットです。

    また、夫婦間に子どもがいる場合は、実家で話し合えば子どもを両親や義理の両親に預けることができます。

  2. (2)自宅や実家のデメリット

    自宅や実家はプライベートな生活空間であるが故に、離婚に関する話し合いがヒートアップしやすい傾向にあります。

    感情をぶつけ合うだけになってしまうと、離婚協議はなかなかまとまりません。お互いにヒートアップする可能性が高いと感じている場合は、自宅や実家以外の場所で話し合った方がよいでしょう。

  3. (3)自宅や実家で話し合うのが適しているケース

    離婚の話し合いを自宅や実家でするのがよいのは、話の内容を他人に聞かれたくないと考えていて、かつ揉め事が顕在化していない場合です。

    離婚はプライベートな事柄なので、基本的には他人に聞かれたくないと考える方が多いでしょう。そのため、特にトラブルが発生していなければ、自宅や実家で話し合うのが穏当と思われます。

    ただし、離婚条件について揉めているなど、夫婦間でトラブルが発生してしまうと、自宅や実家のようなプライベート空間での話し合いはヒートアップしてしまいがちです。万が一トラブルが発生したら、離婚の話し合いの場所を移すことも検討しましょう。

3、ファミレスやカフェなどで離婚の話し合いをするメリット・デメリット

自宅や実家などで離婚協議をするのが得策でないと思われる場合には、ファミレスやカフェなど、他人の目がある空間で話し合うことも一案です

  1. (1)ファミレスやカフェのメリット

    ファミレスやカフェなどのオープンな空間では、夫婦双方がヒートアップせず、冷静に話し合いやすいのがメリットのひとつです。

    離婚協議では、離婚条件などの論点をひとつずつ解決していかなければなりません。そのためには、論点を整理した上での冷静な話し合いが必要不可欠です。自宅や実家で話し合うと感情のぶつけ合いになりそうな場合は、ファミレスやカフェなどで話し合うことも考えられるでしょう。

    また、配偶者からDVやモラハラを受けている場合も、ファミレスやカフェなどのオープンな空間が適しています。他人に見られている状況では、配偶者もDVやモラハラなどの不適切な行動をしにくいためです。

  2. (2)ファミレスやカフェのデメリット

    ファミレスやカフェなどで離婚協議をする場合、他人に話を聞かれてしまうのが最大のデメリットです。

    離婚はプライベートな事柄なので、無関係の他人に話を聞かれるのは恥ずかしいと考える方が多いでしょう。お互いに遠慮してしまって突っ込んだ話ができないと、離婚協議がなかなか進展しないおそれがあります。

    また、ファミレスやカフェなどの店舗では、長居をすると店員に退店を求められることもあります。時間を確保した上で話し合いたい場合は、別の場所を検討しましょう。

  3. (3)ファミレスやカフェで話し合うのが適しているケース

    ファミレスやカフェで離婚について話し合うのがよいのは、プライベートな空間では冷静な話し合いが難しいと思われる場合や、配偶者からDVやモラハラを受けている場合などです。

    ただし、無関係の他人に話を聞かれてしまうことには、多くの方が抵抗を覚えるかと思います。その場合は、裁判所や弁護士事務所での話し合いを検討しましょう。

4、裁判所で離婚の話し合い(調停)をするメリット・デメリット

家庭裁判所に離婚調停を申し立てると、調停委員を介して離婚の話し合いをすることができます。

  1. (1)裁判所の離婚調停のメリット

    離婚調停のメリットは、中立である調停委員のサポートにより、離婚について冷静な話し合いがしやすい点です。また、夫婦のいずれか一方が不合理な主張をした場合にも、調停委員が説得して歩み寄りを促してくれるなど、合意形成に向けたサポートを受けることができます。

    調停手続きは非公開で行われるので、無関係の他人に話を聞かれることもありません。夫婦間でトラブルが発生しているものの、オープンな空間で話し合うのは抵抗があるという場合は、離婚調停の申立てを検討するとよいでしょう。

  2. (2)裁判所の離婚調停のデメリット

    離婚調停のデメリットとしては、準備が大変である点が挙げられます。

    離婚調停では、調停委員に対して丁寧に事情を説明し、自分の主張が合理的であることを分かってもらって味方につけることが大切です。しかし、調停委員は夫婦関係の事情を知りませんから、ゼロの状態から丁寧に説明する必要があります。

    必要に応じて証拠を提出したり、主張内容をまとめた文書を作成したりするなど、やるべきことがたくさんあって大変です。一般の方にとって、離婚調停において自力で適切に対応するのはかなり難しいでしょう。

    また、離婚調停の期日は月1回程度しか開催されないので、離婚が成立するまでに時間がかかりがちなのも難点のひとつです。

    令和5年度に終局した婚姻関係事件において、調停成立となった2万6736件のうち、3か月以内で終結したのは6350件と、4分の1未満に過ぎません。残りは3か月を超える期間を要しており、1年を超える期間がかかった事件も3298件あります。離婚調停を自力で申し立てるなら、多大な労力と時間がかかることを覚悟しましょう。

    出典:「令和5年 司法統計年報 3家事編 第16表 婚姻関係事件数―終局区分別審理期間及び実施期日回数別―全家庭裁判所」(裁判所)

5、離婚の話し合いは弁護士事務所で行うのがおすすめ

夫婦間で離婚に関するトラブルが発生し、自宅や実家での話し合いが難しい状況にある場合は、弁護士事務所で話し合うことをおすすめします

弁護士には、離婚手続き全般に関する相談が可能です。たとえば、以下のようなことを弁護士に相談できます。

  • 離婚手続きの流れ
  • 財産分与の方法
  • 年金分割の割合
  • 慰謝料請求(不貞行為、DV、モラハラなど)
  • 親権争い
  • 養育費の金額、特別費用
  • 子どもとの面会交流
  • 離婚協議のサポート、代理交渉
  • 離婚協議書(公正証書)の作成
  • 離婚調停の申立て
  • 離婚訴訟の提起
  • 離婚届の書き方のアドバイス
など


また、弁護士が離婚協議を仲介すれば、法的な観点から論点を整理した上で、客観的なアドバイスも踏まえつつ冷静に話し合うことができます。

弁護士には法律上の守秘義務があるので、相談した内容が第三者に漏れることはありません。

なお、夫婦双方に弁護士が付いている場合は、弁護士事務所の会議室などに集まって、弁護士同席で話し合うことも考えられます。双方の弁護士が論点整理をサポートすることにより、一挙に離婚協議が進展することも期待できるでしょう。

このように、弁護士事務所において離婚協議を行えば、さまざまなサポートを受けることができます離婚協議がまとまらずにお困りの方は、一度弁護士へご相談ください

まずはお気軽に
お問い合わせください。
電話でのお問い合わせ
【通話無料】平日9:30~21:00/土日祝9:30~18:00
メールでのお問い合わせ一覧
営業時間外はメールでお問い合わせください。

6、まとめ

離婚に関して話し合う際には、場所選びも重要なポイントのひとつです。

夫婦間でトラブルが発生し、自宅や実家での話し合いが難しい場合には、弁護士事務所での話し合いをご検討ください弁護士の守秘義務によって秘密が守られ、弁護士のサポートがスムーズな離婚成立につながることもあります

ベリーベスト法律事務所は、離婚に関するご相談を随時受け付けております。協議離婚・調停離婚・裁判離婚など、どのような形での離婚も実績ある弁護士がサポートいたします。

離婚に関する話し合いがこじれてしまった方、解決の糸口が見えずにお悩みの方など、おひとりで悩まずに、まずはベリーベスト法律事務所 北九州オフィスへご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています