警察に身内が逮捕された時に知っておきたい!弁護士に依頼して不起訴を獲得する方法
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ある日突然、警察に逮捕されるということは現実にあります。
たとえば他人と口論してケガをさせたり、交通事故を起こしたりして逮捕される可能性はだれにでもあるのです。
身近な人が警察に逮捕されると、どうしたらいいのだろうと動揺するかもしれませんが、できるだけ早く弁護士へ依頼しましょう。あなたがどうしようかと迷っている間でも、刑事手続きはどんどん進んでいくのです。
逮捕から起訴・不起訴の判断がされるまでの時間は決まっていて、その間に不起訴を獲得するための弁護活動を行わなければいけません。
当コラムでは、弁護士に依頼して不起訴を獲得する方法や弁護士に依頼する理由などについて解説いたします。
目次
- 1、警察に逮捕されることは決して珍しい話ではない
- (1)酒の席での口論からの殴り合い(暴行罪・傷害罪)
- ①現行犯逮捕のケース
- ②後日逮捕のケース
- (2)交通事故(業務上過失致死・業務上過失致傷)
- ①現行犯逮捕のケース
- ②後日逮捕のケース
- (3)痴漢冤罪での逮捕
- 2、もしも逮捕されてしまったら?なにをしたらいいの?
- (1)すぐに弁護士に依頼すること
- (2)逮捕後の刑事手続きの流れ
- ①警察に逮捕された後の取り調べ
- ②検察へ送致されて取り調べ
- ③勾留期間が延長されると最大で20日間
- ④逮捕後23日以内に起訴・不起訴の判断
- ⑤起訴後1カ月半ほど経過してから刑事裁判
- (3)逮捕後すぐに弁護士に依頼することには意味がある
- 3、弁護士はどこに依頼したほうがいいの?
- 4、私選弁護人の場合どの弁護士を選んだらいいの?
- 5、まとめ
1、警察に逮捕されることは決して珍しい話ではない
警察に逮捕されることは決して珍しい話ではなく、だれでも警察に逮捕される可能はあるのです。
以下では、一般人が警察に逮捕される可能性の高い事例と逮捕されるまでの流れをご紹介します。
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(1)酒の席での口論からの殴り合い(暴行罪・傷害罪)
酒の席での口論はよくありますが、酔った勢いで殴り合いになることもあります。
このような場合、暴行罪あるいは傷害罪で逮捕される可能性があります。
①現行犯逮捕のケース
被害者に暴行を加えたその時その場所で、目撃者や被害者の仲間、店員などに取り押さえられることが多いです。暴行の程度が軽ければ穏便にすませることもありますが、被害者がケガをしたり喧嘩が収まらなかったりすると、110番通報されて駆け付けた警察官により現行犯逮捕されます。
現行犯逮捕された後は警察署へ連行されて取り調べを受けますが、暴行・傷害の内容が悪質であったり、明らかに暴行を加えたにもかかわらず容疑を否認したりすると身柄を拘束された状態が続くケースがほとんどです。
②後日逮捕のケース
現場で逮捕されることがなかったとしても、刑事事件になる可能性のある悪質な暴行や傷害のケースでは、裁判所から逮捕状が出て後日逮捕されます。事件の翌日以降に警察に逮捕されるのですが、どのくらい経過してから警察に逮捕されるかは捜査の進行次第です。
たとえば暴行の程度がひどかったり、凶器を使用していたり、さらには被害者が重大な傷害を負ったりした場合は、後日逮捕される可能性が高くなります。 -
(2)交通事故(過失運転致死・過失運転致傷)
車を運転する人は交通事故を起こす可能性がありますが、軽微な交通事故の場合は警察に逮捕されることはありません。
一方、重大な交通事故の場合は過失運転致死罪や過失運転致傷罪の容疑で警察に逮捕される可能性があります。
①現行犯逮捕のケース
被害者が死亡したり、車両が歩道に突っ込んで被害者が多数出たりした重大な交通事故のケースでは、駆け付けた警察官にその場で現行犯逮捕される可能性があります。
重大な交通事故のケースは軽微な交通事故と違って刑事事件になる可能性があり、捜査の必要性から警察に逮捕されるのです。
ただし、悪質でない事故で、容疑者の逃亡や証拠隠滅の恐れがない場合は、実況見分だけで終わることがあります。
②後日逮捕のケース
交通事故を起こして後日逮捕されるのは、事故現場から逃げたケースです。
交通事故を起こした場合、事故が発生したことや死傷者の数などを警察に報告する義務があり、被害者がいる場合は加害者には救護義務があります。
報告や救護をしないで現場から逃走すると、いわゆるひき逃げの罪が成立する可能性があるのです。このような場合、裁判所から逮捕状が出て警察官に逮捕されます。 -
(3)痴漢冤罪での逮捕
痴漢事件で逮捕されるのは、痴漢の被害者と周囲の人に現場で取り押さえられるケースです。また、頻繁に痴漢事件が起こる場所では警察官がおとり捜査をしていることもあり、現行犯逮捕される可能性が高くなります。
ただし、痴漢事件の証拠は被害者の証言や周囲にいた目撃者の証言が中心になるため、痴漢冤罪が起きやすいのが特徴です。身に覚えがないのに痴漢の容疑で警察に逮捕されたり、痴漢の現場から逃げようとすると警察に逮捕されたりすることがあります。
なお、痴漢事件では現行犯逮捕のケースが多く、後日逮捕のケースはほとんどありません。
2、もしも逮捕されてしまったら?なにをしたらいいの?
もしも自分や身内が警察に逮捕されてしまったらだれでもショックを受けるかもしれませんが、「逮捕=有罪」というわけではないのです。
警察に逮捕されても迅速かつ冷静に行動をすれば、早期の釈放や不起訴になる可能性はあります。
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(1)すぐに弁護士に依頼すること
警察に逮捕されたらすぐに弁護士に依頼しましょう。知り合いに弁護士がいればすぐに連絡し、知り合いに弁護士がいなければ刑事事件に強い弁護士を探します。
警察に逮捕された段階から刑事事件の手続きはどんどん進んでいくので、少しでも早く弁護士へ依頼することで、事態が好転する可能性が高いからです。 -
(2)逮捕後の刑事手続きの流れ
以下では、逮捕後の刑事手続きの大まかな流れを説明していきます。
①警察に逮捕された後の取り調べ
警察に逮捕されると、警察署へ連行されて取調べを受けます。この取り調べは最大で48時間以内というのが刑事訴訟法のルールです。この時間内は家族であっても接見が禁止されています。
警察は、逮捕後48時間以内に、身柄拘束の必要がないと判断したときは被疑者を釈放し、身柄拘束の必要があると判断したときは、証拠とともに被疑者を検察に送致しなければなりません。
②検察へ送致されて取り調べ
警察での取調べが終わると、検察へ送致されます。送致を受けた検察官は、身柄拘束の必要がないと判断した時は被疑者を釈放し、身柄拘束の必要があると判断したときは、送致を受けてから24時間以内に裁判所に勾留を請求します。
③勾留期間が延長されると最大で20日間
検察での取調べ等の捜査に時間がかかる場合、被疑者に逃亡や罪証隠滅のおそれがある場合には、裁判所が勾留請求を認めて引き続き身柄を拘束されます。原則として勾留期間は10日間となっていますが、延長されると最大20日間まで勾留することが可能です。
④逮捕後23日以内に起訴・不起訴の判断
検察の取調べが終了すると、起訴処分とするか不起訴処分とするかが判断されます。
身柄の拘束が継続している場合、逮捕されてから最大23日間以内に処分決定されるのが刑事訴訟法のルールです。
⑤起訴後1カ月半ほど経過してから刑事裁判
起訴処分を受けると、刑事裁判が行われ判決が下されます。
通常は起訴されて裁判が行われるまで1ヵ月半ほどかかり、その間、保釈請求が認められるなどしない限り身柄を拘束されますが、書面で言い渡される略式起訴の場合は身柄を拘束されることはありません。 -
(3)逮捕後すぐに弁護士に依頼することには意味がある
以上のように逮捕後の刑事手続きはどんどん進んでいきますが、逮捕後72時間以内に面会できるのは弁護士だけです。たとえ身内であっても接見禁止になっています。
つまり、勾留を阻止したり釈放を獲得したりするためにはこの72時間以内に弁護士へ依頼する必要があるのです。
また、日本の刑事裁判では、起訴されると約99%以上の確率で有罪判決が下されます。有罪判決を受けると前科が残ることになります。
それを避けるには、起訴までの23日間以内に迅速な対応をし、少しでも不起訴になる可能性を高くすることが大切です。
3、弁護士はどこに依頼したほうがいいの?
自分や身内が警察に逮捕されたら一刻も早く弁護士へ依頼することが大切ですが、弁護士はどこに依頼したらいいのかわからない人もいるでしょう。
まず知っておきたいのが、刑事事件の弁護活動をしてくれる弁護士は以下の3つに分類されることです。
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(1)国選弁護人
日本では国選弁護制度が法律で定められていて、殺人や強盗などの重大事件の被疑者であれば起訴される前でも国選弁護人が弁護活動をしてくれます。
ただし、国選弁護人は逮捕されてから勾留決定されるまでの間は選任されることはありません。検察官から勾留請求があり、裁判官が勾留を決定する段階で被疑者へ国選弁護人をつけるかどうかを質問して、希望すれば勾留決定後につけることができます。
ですから、検察官の勾留請求を阻止したり、裁判所の勾留決定を阻止したりするための弁護活動は国選弁護人にはできないのです。 -
(2)当番弁護士
知り合いの弁護士がいなければ、刑事事件では弁護士会から当番弁護士を派遣してもらえます。その日に当番となっている弁護士が1回だけ無料で接見してくれ、被疑者の今後の対応について相談できるので落ち着くでしょう。
当番弁護士が接見してくれるのは1回だけですので、最後まで弁護活動をしてもらうには正式に弁護人選任契約をする必要があります。
ただし、当番弁護士とは1回しか会わないので、刑事弁護の実力を冷静に判断するのは簡単ではありません。 -
(3)私選弁護人
依頼者が自由に選んで、弁護士費用を払って弁護活動を行ってもらうのが私選弁護人です。
弁護士費用は決して安くはありませんが、自分の納得のいく弁護士を選任できるというメリットがあります。逮捕後72時間以内でも自由に接見できるのは私選弁護人だけです。
国選弁護人や当番弁護士と違って、最初から最後まで弁護活動が可能です。
国選弁護人の選任を請求できるのは被疑者本人だけですが、私選弁護人は、被疑者・被告人自身のほか、配偶者、直系の親族、兄弟姉妹などが選任することもできます。
4、私選弁護人の場合、どの弁護士を選んだらいいの?
私選弁護人を選ぶことにメリットがあることはわかりましたが、弁護士も数多くいるのでどの弁護士を選べばいいか迷うでしょう。
ここでは、私選弁護人を選ぶ際のポイントをご紹介します。
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(1)刑事事件の経験が豊富な弁護士を選ぶ
刑事事件で起訴されると、約99%以上の確率で有罪判決が下されるため、前科がつかないようにするには起訴を避けるしかありません。
もし起訴されたとしても、実刑判決を免れて執行猶予付き判決を勝ち取ったり、できるだけ刑を軽くしたりしたいでしょう。
そのためには刑事事件の経験が豊富な弁護士を選ぶ必要があります。 -
(2)私選弁護人は費用がかかるが、メリットもある
私選弁護人に依頼すると当番弁護士や国選弁護人と比べるとどうしても弁護士費用がかかってしまいますが、私選弁護人にはメリットがあります。
国選弁護人や当番弁護士は必ずしも刑事事件に強い弁護士が来るとは限らないため、早期の釈放や不起訴を勝ち取る弁護活動が期待できないことがあるのです。
一方、私選弁護人なら刑事事件に強い弁護士を選ぶことができるため、多少弁護士費用がかかってでも依頼する価値があります。 -
(3)依頼者(被疑者)との相性が重要
私選弁護人に依頼すると高額な弁護士費用がかかるため、できるだけ安い金額で弁護活動をしてくれる弁護士を選びたいと思うかもしれません。
ただし、お金のことばかり気にしていると、依頼人のことを考えた弁護活動をしてくれる弁護士を選べなくなります。
円滑にコミュニケーションが取れる弁護士を選ぶ必要があるため、最終的には依頼者(被疑者)との相性が重要です。
5、まとめ
いかがでしょうか。今回は、弁護士に依頼して不起訴を獲得する方法や弁護士に依頼する理由などについて解説しました。身内の方が警察に逮捕されると、突然のことでどうすればいいかわからなくなることもあるでしょう。
刑事弁護ではいかにスピーディーに動くかが重要です。
もし、あなたのご家族や親しい方が警察に逮捕された場合には、ベリーベスト法律事務所 北九州オフィスの弁護士にお任せください。
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